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郡山市大安場古墳群

福島県郡山市市街地の南東におよそ5kmの阿武隈川を越えた場所に、平成になって発見された大安場古墳群があります。

発見された前方後方墳は東北地方最大級で、墳丘のある山上と麓を整備して公園化され、資料を展示するガイダンス棟も建てられました。東日本大震災で一部被災した場所も復旧し、市民の憩いの場となってます。
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訪れた際には案内図の下の石釧には気付きませんでした。

公園化に伴い建設されたガイダンス棟の横から見上げると1号墳の姿が見えます。右下はマスコットの大安場くんです。
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ひたすら階段を上がって1号墳を北東より。4世紀後半に築かれた全長約83m、高さ推定約10mの北北東を向いた前方後方墳です。
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前方部は2段、後方部は3段に築かれてました。

前方部北側に解説板が設置されてます。
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墳丘上の縁には通常の埴輪ではなく、約50個の底に孔を開けた壺が並べられてました。墳丘整備・復元後市民に参加してもらう形で壺を50ヶ作り、設置されました。製作者の名前が入れられてて、良い記念になってると思います。
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前方部より後方部。中世のここは城館に利用されてて、後方部は約1.5m削られ、その土は手前側くびれ部に投げ捨てられてました。
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後方部より前方部。前方部の奥は2号墳です。
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後方部墳頂の埋葬施設表示です。木棺直葬という古い埋葬の仕方で、中世にあと20cm削られていたら跡形も無くなっていたところでした。長い木棺と副葬品の出土状況も解ります。
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埋葬施設や出土品の解説板が横に設置されてます。木棺が全長約9と長く、複数の人を埋葬した可能性もあります。
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こちらは1号墳北側の2号墳です。1号墳の約100年後に築造と推定される直径約15mの円墳です。
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目地を粘土で奇麗に密封した箱式石棺が見つかりましたが、そのまま開けずに埋め戻されてます。

2号墳にも解説板が設置されてます。
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こちらは公園と宅地の境で半壊の3号墳です。民地が墳丘側に食い込むためV字状に背面を削られてます。
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こちらは3号墳の北東で逆に民家に突き出る形で半壊してる4号墳です。
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振り返って5号墳跡。墳丘は既に失われてましたが、直径12mの周溝が検出されてます。
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周溝は4号墳手前で折れており、4号墳を避けて築かれた事が判明してます。
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No title

こんにちは。
確か東北で初めて石釧が出土した古墳ですね。
会津も含めて前方後方墳がここまで北上してるのは驚きです。

No title

>形名様
昨年の某講演会で、前方後方墳は弥生時代の遺跡があまり見られないエリアなど、新たに開拓するために中央から送られた人物の墓ではないか、それで綿々と造り続けられることが無かったり前方後円墳の集中する古墳群に混ざる事が少ないのではないか、という思いもつかなかった説を聞いてちょっと目から鱗が落ちる思いでした。前後して訪問した元島名将軍塚古墳も根拠は皆無に等しいながら、その説で考えるといろいろ似てるのも納得出来てしまったり・・・。
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